COLUMN
一貫教育とスマートな
スタイルが
特徴だった5学園
第二次高等学校令によって全国に大増設が行われた旧制高等学校。「中高一貫の7年制を本体とする」という勅令のもと、尋常科4年・高等科3年の7年制高等学校が設立された。
東京、学習院※(以上、官立)、富山、浪速、東京府立(以上、公立)、武蔵、甲南、成蹊、成城(以上、私立)である。
一貫教育の伝統は、戦後新制大学となった私立5大学にも受け継がれ、現代の中高一貫教育のルーツとなっている。これら5学園では、旧制高等学校生の象徴的スタイル「バンカラ」(学生服、破帽、下駄、マント)を継承せず、紳士的でスマートな文化を持っていた。
また、イギリスのパブリックスクール、ドイツのギムナジウムを範としており、単なる物知りではなく、自分で考え創造できるリーダーを育成することに力を入れていた。それまでの旧制高等学校の考え方から、現代の考え方にも通じる「新しいリベラルアーツ」の形をつくり出している。
※学習院は8年制。
-
- 学習院
- 宮内省直轄で中等科5年、
高等科3年の8年制を採用
-
- 成蹊高等学校
- 大正自由教育の旗手といわれた
教育者・中村春二が設立
-
- 成城高等学校
- 第一高等学校の校長経験もある
澤柳政太郎が設立
-
- 武蔵高等学校
- 「鉄道王」と呼ばれた実業家
根津嘉一郎(初代)が設立
-
- 甲南高等学校
- 実業家で文部大臣も務めた
平生釟三郎が設立
TOPICS
60年以上の交流!
スポーツで
親睦を深める5学園
1950
四大学運動競技大会(四大戦)
「四大学運動競技大会」は、学習院大学、成蹊大学、成城大学、武蔵大学の4大学の親睦を深めることを目的に、1950年より開催。各大学の運動部会同士で戦う「正式種目」のみならず、同好会などの学生が参加する「一般種目」や教職員が参加する「教職員種目」などもあり、だれでも参加できるのが特長だ。四大戦は毎年10月に実施され、各競技とも大学対抗で競う。競技大会の運営は、四大学での当番制となっている。
-
2019年の開催実績
-
参加大学
学習院大学、成蹊大学、成城大学、武蔵大学
-
正式種目
陸上競技、水泳、アメリカンフットボール、
サッカー、硬式野球、硬式庭球(男・女)、
剣道(男・女)、柔道、卓球(男・女)、
バレーボール(男・女)、ヨット、
ラクロス(男・女)など、25競技36種目 -
一般種目
硬式テニス(男D・女D・混合D)、
バレーボール(男・女)、サッカー、女子フットサル、
バスケットボール(男・女)など、10競技22種目 -
教職員種目
テニス、ソフトボール、バレーボール(計3種目)
-
※他に「演武」「オープン正式種目」
「オープン教職員種目」も実施
-
学習院大学 対 甲南大学
運動競技総合定期戦
-
「学習院大学対甲南大学運動競技総合定期戦」は、互いに切磋琢磨しながら親睦を深めることを目的に行っている。各種目で単独の定期戦は1952年から行われていたが、総合種目としては1956年に始まった。学習院大学にて第1回が実施されたのち、会場の提供と運営を当番校として毎年交互に受け持ちながら実施している。2019年度は、甲南大学の運営で36種目(射撃は中止)が行われ、学習院大学13勝、甲南大学23勝、という結果だった。